藍色の夜

2024年3月22日金曜日

憧恋 命・輪廻・ 魂

t f B! P L







 「藍色の夜」







沈丁花の
あの香りが
あんまりあんまり苦しくて

今にも、すぐにも、
わたし
泣きだしそうです

だあれも居ない
夜の舗道で
三才児(みつご)のように
泣きだしそうです



もう、ほら、
ふるりとひとつ
左の頬をころがりました

春の夜更けの藍(いろ)でした
ひとりでいられぬ色でした


だから

ああ早く
はやく来て下さらなくては

駆けて来て
早く
わたしの耳を袖で覆って
あつい唇で呼吸を止めて下さらなくては


ものも言わせず
じっと
じっと

あなたの息だけ
わたしの夜に残るよう

あなたの肌だけ
わたしの春に残るよう



















※沈丁花(じんちょうげ)




✼‥┈┈‥✼‥┈┈‥✼‥┈┈‥✼

このブログを検索

作者



花陽(かよう)
詩人 


10代の頃から長年に渡る作品を
順不同で更新する詩の部屋です


今 出逢うべき一篇が
あなたに届きますように


著作権について

profile2


当ブログに掲載されたすべてのコンテンツは著作権で守られています。
©2023-Kayou

・リンクは自由にどうぞ。

・引用は「リンク添付で出典明記」の上、
 「一部のみ」可能です。


 どちらの場合もコメントフォームより
 ご一報いただけると更に嬉しいです。

QRコード


QRコード

QooQ

Page
Top