花山岸

2024年3月29日金曜日

青い世界 命・輪廻・ 魂

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  「花山岸」
     (はなやまぎし)






 桜は咲いて散こぼれ
 こぼつ水面(みなも)は黒髪の
 緑の若子(わくご)の匂ふ影

 押し寄す程に重く垂れ
 西明かり差す岩肌に
 けぶれるまでに薄紅(うすべに)
 彩を落としてゆらめけど

 鬱と瞼を閉ざしゐる
 その瞳にこそ映らずば
 色も褪めたり山桜

 こち見よ吾子(あこ)よ 眼前の
 頭上の紅(くれなゐ)むせかえる

 その唇元(くちもと)の笑みに逢ひ
 褪せることとは知りつつも
 これが我らの盛(はな)の宵
 現世(うつしよ)惑ふ春の宴





















※彩   (あや)
※鬱   (うつ)
※瞼   (まぶた)
※瞳   (ひとみ)
※褪めたり(さめたり)
※褪せる (あせる)
※惑ふ  (まどう)



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作者



花陽(かよう)
詩人 


10代の頃から長年に渡る作品を
順不同で更新する詩の部屋です


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